最近の女芸人さんは、イイ女で売る人が増えたと思いませんか。かつての「女芸人=ブサイク」といった構図が成り立たない時代になったということですね。
ですが、ほんの数年前までは「ぶちゃいくランキング」という、今考えるとセクハラなのではないか?というランキングが発表されていました。
そこで今回は、それは一体どんなランキングだったのか。また、そのランキングが廃止された理由となった、とある女芸人さんの苦悩についてご紹介したいと思います。
それってセクハラ?ぶちゃいくランキングとは
ではまず、そもそも「ぶちゃいくランキング」とは何だったのかをご紹介します。
ぶちゃいくランキングは、吉本興業が発行する月刊誌『マンスリーよしもと』に掲載されていた、読者投票で決まるランキングです。
元々は「吉本男前・ブサイクランキング」という男性限定のランキングが存在しており、2010年からその女性版として「吉本べっぴんランキング」とともに発表されるようになりました。
こちらのランキングは業界内からの注目度も高く、吉本側も人気のバロメーターとして設定していたといわれています。確かに、知名度がある芸人さんが圧倒的に有利ですもんね。その結果を、マスコミも大々的に報じていました。
ですが、このランキングは女芸人なら「ぶちゃいく」と呼んでいいだろうというような、セクハラめいた印象も受けますよね。
ぶちゃいくと言われる女芸人の乙女心
そんな「ぶちゃいくランキング」ですが、2015年度を最後に廃止されました。注目度の高いランキングを、なぜ廃止しなければならなかったのでしょうか。芸人さんたちにとっては、チャンスともいえる仕組みだったとも考えられます。
そこで、ぶちゃいくランキングの中身を見ていきましょう。
なんと首位は、2010~2012年度はアジアンの隅田美保さん、2013~2015年度はハリセンボンの近藤春菜さんでした。ともに3年連続で1位を獲得し、ぶちゃいく殿堂入りを果たしています。
これを女芸人としてオイシイと受け止めるか、女性として悲観的に受け止めるかは、何とも言い難いところだと思いませんか?男性のランキングは「ブサイク」であるのに対し、女性版は「ぶちゃいく」と、一応マイルドな表現にはなっていますが・・・。
これについて、ハリセンボンの春菜さんのコメントが女芸人の乙女心を言い表しています。
男芸人はブサイクと言われて仕事が増えるけど、女芸人はただ悪口を言われるだけ・・・
実際には「ただ」悪口を言われているかどうかはわかりませんが、傷つくことは確かですよね。それを「プロとしてどうだの・・・」と批判することは、どうかと思います。「女芸人=ブサイク」は何も本人が決めたことではないのですから。
ぶちゃいくランキング廃止になった理由
女芸人さんたちを知らず知らずのうちに傷つけていたぶちゃいくランキングですが、2015年度を最後に廃止されました。その廃止の理由は、アジアン・隅田さんのテレビ出演拒否がきっかけだったと言われています。
アジアンと言えば、かつてはM-1決勝にも進出した実力派女性コンビです。ボケの馬場園さんは、べっぴんランキングで3年連続首位を獲得し、殿堂入りをしています。
自身はぶちゃいくランキング殿堂入りしたのに対して、相方はべっぴんランキングで殿堂入り・・・一人の女性として深く傷つくことは、想像に難くないですよね。周囲からのブスいじりに耐えかねた隅田さんは、テレビへの出演を一切拒否することになってしまいました。
女芸人さんからすると当ランキングは、世間からの注目が集まるというメリットがあるとともに、女性としては傷つけられるという諸刃の剣だったということですね。
隅田さんの行動を受け止めた吉本側は、ぶちゃいくランキングを廃止する決定をしました。時代の流れとしても、賢明な判断だったと言えますよね。
まとめ
かつては注目を集めた吉本のぶちゃいくランキングですが、その廃止の理由には、女芸人さんの乙女心がありました。そのまま続いていたとしても、世間からセクハラと言われてしまうだけでしたよね。
ブサイクかどうかではなく、女芸人さんの「芸」に注目していきたいですね!